被扶養者の認定基準

はじめに

健康保険では、被保険者の家族が保険者(健康保険組合)から被扶養者として認定を受けることにより、病気やケガに対する保険給付のほか、保健事業による健診の補助等を受けることができます。

しかしながら、一定の収入があり、自分で生計を維持できるような扶養の対象とならない人を被扶養者にしてしまうと、保険者は支出しなくてもよい費用を負担することになり、保険料を納めている事業主や多くの被保険者に迷惑がかかるほか、ひいては健保組合の財政悪化を招くことにもなるため、被扶養者の取り扱いは公正を期することを目的として厳格に行う必要があります。

健康保険の被扶養者とは

被扶養者は、被保険者の家族であれば誰でもなれるものではなく、健康保険法や厚生労働省の通知等で示されている一定の条件を満たす必要があります。このため保険者は、それらの条件に基づき社会通念等にも照らした総合的な審査を行ったうえで、被扶養者として認定するかを決定します。

被扶養者の認定要件

被扶養者の認定を受けるためには、原則として以下の4つの条件を全て満たすことが必要となります。また、厚生労働省の通知により「被保険者からの申し立てのみによる認定は行わず、証明書類に基づき、身分関係や生計維持関係を確認のうえ認定する事」と示されており、それに該当することの証明書類を必ず添付して届け出なければなりません。

 

①主として被保険者の収入によって生計を立てていること

被扶養者となる人の年間収入が130万円未満かつ、被保険者の収入の1/2未満であること。
(60歳以上および障害年金受給者は180万円未満)
※年間収入とは扶養を必要とする時点から今後1年間の給与・年金・事業収入など生活費に充当できる全ての収入をいいます。
 必ずしも1月~12月の収入とは限りません。

 

②健康保険法で定められた親族の範囲内であること

被扶養者になれる人の範囲

 

③75歳未満であること

75歳以上の方(および障害認定を受けた65歳以上の方)は、健康保険に代わり「後期高齢者医療制度」の被保険者となります。

 

④原則、日本に住民票があること

健康保険法等の改正に伴い、令和2年4月1日より被扶養者の認定要件に「国内居住要件(原則、日本に住民票がある方)」が追加されました。住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。ただし、住民票があっても日本に生活の基礎がないと判断された場合は扶養対象外となります。

また、海外居住者でも日本国内に生活の基礎があると認められる者に関しては、例外として取り扱われ、扶養認定対象となります。

【国内居住要件の例外となる方】

■ 留学をする学生
■ 外国赴任する被保険者に同行する者
■ 就労以外の目的での一時的な海外渡航者
■ 被保険者の海外赴任期間に当該被保険者との身分関係が生じた者で、海外赴任に同行する家族と同等と認められるもの
■ その他、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

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